グレエゾオン

奈良県の政治と経済の情報屋

十津川村とイオンモール橿原の関係

奈良県中部(橿原市大和高田市香芝市桜井市、葛城市、御所市、田原本町広陵町)の中学生や高校生は、大阪まで遠征しなければ遊ぶところに困る。彼らが休日にお手頃におでかけすることができる県内唯一の拠り所「イオンモール橿原」(通称・アルル)は子連れのベッドタウン民族(奈良府民)の味方でもあり、永遠に終わらない京奈和自動車道の橿原高田-橿原北エリア高架化工事現場周辺の日常的な大渋滞と共に、奈良県中部のランドマークとなっている。ちなみに「アルル」という名称の以前に使われていた「ダイヤモンド・シティ」は死語になっている。そんな我らがアルルの駐車場内に、やや不可思議な建物がポツンと存在していることはご存知だろうか。十津川村の歴史文化を紹介する資料館である。一体なぜ奈良盆地の大都会に陸の孤島である十津川村の資料館があるのか。

実は、林業で栄えていた十津川村は物流の手法が水運(十津川→新宮→大阪)から陸運(十津川→奈良盆地→大阪)に変わった時期に、橿原市に木材集積所を所有していた。それが現在のアルルの敷地である。所有権は変わっておらず、莫大な家賃収入が十津川村の財政を潤わせているとかなんとか。奈良に仕事がないからと大阪に出稼ぎに行っている人々の給料が、奈良のド田舎の村の人々のサイフに収まっているというのはなんとも皮肉な話である。下調べが不足していると思うので、鵜呑みにせず自分の足で確かめてみることをおすすめする。

奈良県の田舎事情

これは筆者個人の印象なので鵜呑みにせずに参考程度に留めて欲しい。

奈良県の田舎レベルを測るには「吉野川」に注目するべき。吉野川より南のエリア、具体的には「吉野川に架かっている橋を渡った先」は急にド田舎になる。吉野町吉野山、下市町、五條市野原より南にあたるエリアである。五條市吉野川より南、つまり国道168号エリアは文化的には京奈和自動車道の影響を受けており、どちらかというと隣県である和歌山県橋本市を起点に和歌山市からの流れを受けているので、五條市西吉野の人々は吉野町とはあまり絡みがない。そもそも若い人や移住者はほぼ存在しない。国道309号エリア(下市町、黒滝村天川村)および国道169号エリア(吉野町、川上村、上北山村下北山村)の若い人や移住者は、最後の砦である大淀町のカフェなどで集まりを行う。どこへ顔を出しても共通の知り合いがいるので、噂話はすぐに広がる。あまり地域のコミュニティに顔を売るべきではないのかもしれない。事業をやっている人は大阪に住んでいる人だったり桜井市あたりに住んでいる人もいる。ド田舎ではあるが賃貸物件は全滅状態で、住めるところは古民家しかない上に修繕費がすごくかかる。ワンルームで十分という人は橿原市近鉄橿原神宮前」駅の周辺で3〜4万のお部屋がおすすめ。というより借りることができる綺麗なお部屋たちの、最後の砦がそこなのだ。奈良盆地の最南端である高取町まで行ってしまえばもうない。ちなみに野迫川村奈良県民でも名前すら聞いたことがない人も多い。陸の孤島である十津川村はもはや関西弁すらしゃべれない。

偏見が含まれていると思うので、ここで読んだことは他言せずに自分の足で確かめてみることをおすすめする。