グレエゾオン

奈良県の政治と経済の情報屋

十津川村とイオンモール橿原の関係

奈良県中部(橿原市大和高田市香芝市桜井市、葛城市、御所市、田原本町広陵町)の中学生や高校生は、大阪まで遠征しなければ遊ぶところに困る。彼らが休日にお手頃におでかけすることができる県内唯一の拠り所「イオンモール橿原」(通称・アルル)は子連れのベッドタウン民族(奈良府民)の味方でもあり、永遠に終わらない京奈和自動車道の橿原高田-橿原北エリア高架化工事現場周辺の日常的な大渋滞と共に、奈良県中部のランドマークとなっている。ちなみに「アルル」という名称の以前に使われていた「ダイヤモンド・シティ」は死語になっている。そんな我らがアルルの駐車場内に、やや不可思議な建物がポツンと存在していることはご存知だろうか。十津川村の歴史文化を紹介する資料館である。一体なぜ奈良盆地の大都会に陸の孤島である十津川村の資料館があるのか。

実は、林業で栄えていた十津川村は物流の手法が水運(十津川→新宮→大阪)から陸運(十津川→奈良盆地→大阪)に変わった時期に、橿原市に木材集積所を所有していた。それが現在のアルルの敷地である。所有権は変わっておらず、莫大な家賃収入が十津川村の財政を潤わせているとかなんとか。奈良に仕事がないからと大阪に出稼ぎに行っている人々の給料が、奈良のド田舎の村の人々のサイフに収まっているというのはなんとも皮肉な話である。下調べが不足していると思うので、鵜呑みにせず自分の足で確かめてみることをおすすめする。